虎眼流>=死刑囚




上記の式がついに今月の『シグルイ』で立証された。当サイトを読むような人間は当然、バキとシグルイは本棚に陳列してあるだろうから、両作品の詳細な説明は省かせて頂く。万が一、「持っていない」あるいは「読んでいない」方がおられたら、バキはまぁどうでもいいからシグルイだけでも一読してほしい。


さて、みなさんはシコルスキーを覚えておいでだろうか? そう、あの、全死刑囚中、最高の「結局何をやりたかったのか全く分からなかった」度を誇る、ロシアが生んだハラショー・ボーイである。彼を覚えておいでなら、彼がかのアレクサンダー・ガーレン戦で炸裂させた秘技「天井のものにぶらさがってそこから攻撃する」をも記憶しておいでだろう。やはりあれは真の強者のみが使用しうる、偉大な技であったのだ。


ここまで書けば、察しの良い方なら既にお気づきであろう。そう、虎眼流にも、あのウルテクを使う人間がいたのだ! 名は興津三十郎。虎眼流高弟であり、伊良子を集団リンチした人間の一人だ。シコルスキーが天井ぶら下がりを炸裂させた時のように、興津もまた、「なんでそのタイミングで?」と読者に強い混乱をもたらす状況下で秘技を使用し、場を騒然とさせた。そのあまりの唐突さは読者の思考力を奪い、正気を失わせ、失禁を煽動するため、閲覧時には十分な注意と覚悟が必要だ。


もちろん、これだけでは『虎眼流>=死刑囚』と呼ぶのに疑問の声を挙げる方もおられるかもしれない。「それならばむしろ、『虎眼流=死刑囚』なのでは?」もっともである。


しかし、先月号を思い出してほしい。先月、非業の死を遂げたギョロ目は、虎眼流の陰口を叩いた浪人を素手で難なく叩き殺している。そこでもう一度、我らが偉大なるツァーリであり、全死刑囚中、最も凄まじい「特色の無さ」を披露したシコルスキーの出番だ。シコル対オリバ戦にて、シコルは「コレ以上ハ無イト言イ切レル インパクトデ蹴リ込ンダハズ」なキックでオリバの顔面を襲撃したのだが、オリバはビクともしなかった。キョトンとしていた。その際、バカルスキーは「常人ナラ悪クスルト即死・・・。最低デモ昏倒ハ免レヌタイミングダッタ・・・」とバカ丸出しのツラでほざいている。つまり、ギョロ目は常人とはいえ武士を二名、素手で簡単に殺傷せしめ、バカは最高のタイミングで蹴ったのに、上手くいかないと相手を殺せないのだ。


これならば、いかに他人の揚げ足を取ることのみに生まれたといっても過言ではなく、人をその善悪に関係無く、ただ論破することのみに異常な執心を見せるといった歪んだ人間性を持つみなさんでも、『虎眼流>=死刑囚』に異論を挟む余地は無いといえよう。恐るべしは岩本虎眼である。なお、シコル以外の死刑囚をここに絡ませると途端にボロが出て僕の論は即座に破綻してしまうので、今回の検証はここまでとさせて頂く。御静聴感謝致します。






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来月号では「盲人組合のえらい人」なる、どう考えても素晴らしいキャラが登場するようなので刮目して待ちたい。